トラックバイアス&血統研究

トラックバイアス(馬場のクセ)と血統を研究

【ルーラーシップ】種牡馬の特徴 牡馬優勢の長距離血統で晩成傾向

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出遅れ癖がありながらも、直線一気の豪脚で掲示板をほとんど外さなかったルーラーシップ。国内のG1ではあと一歩届かないレースを続けていたが、香港のクイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)では圧倒的な強さを見せ、初GⅠ制覇を海外で成し遂げた。2012年の有馬記念3着後に引退、種牡馬入りし、産駒は2016年からデビューしている。

ここでは、ルーラーシップ産駒の特徴を紹介する。

 

 

 

目次

 

 

 

 

血統

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Northern Dancer 5+5 × 4

 

父は日本ダービー(GⅠ)などGⅠ・2勝、重賞4勝し、種牡馬として数多くの活躍馬を送り出しているキングカメハメハ

母は天皇賞・秋(GⅠ)などGⅠ・2勝、重賞7勝の名牝・エアグルーヴ

母父は御三家と言われるトニービン

母の母はオークス(GⅠ)を優勝し、繁殖牝馬として日本でもトップクラスの牝系を築いているダイナカール

 

姉にエリザベス女王杯(GⅠ)2勝など重賞5勝のアドマイヤグルーヴ

兄に種牡馬入りしたザサンデーフサイチ

兄にステイヤーズステークス(GⅡ)など重賞2勝のフォゲッタブル

妹にマーメイドステークス(GⅢ)優勝のグルヴェイグ

 

日本ではこれ以上ないほどの超良血である。

 

現役時代

デビューは2009年12月27日と遅く、有馬記念の裏開催、阪神芝2000mの新馬戦だった。このレースでは3馬身2分の1差で快勝したが、その後は引退まで悩まされる出遅れ癖と不器用さで出世が遅れる。やっとダービートライアル・プリンシパルステークスで快勝し日本ダービー(GⅠ)出走にこぎつけたが、ダービーはスローの切れ味勝負に対応できず5着に惨敗。

ダービー後、重賞を勝ったり負けたりを繰り返しながら実力をつけると、2012年4月29日に香港で行われたクイーンエリザベスⅡ世カップ(GⅠ)を4馬身差で圧勝し、初GⅠ制覇を海外で成し遂げる。

その後は、GⅠ競争でオルフェーヴルジェンティルドンナゴールドシップという歴史的名馬を前に2~3着と惜敗し、2012年12月の有馬記念(GⅠ)を最後に引退。社台スタリオンステーション種牡馬入りした。

すべて1800m以上の距離に出走し、重賞を制した距離は1800~2400m。重馬場に強く、不良馬場で行われた2レースを快勝している。ちなみに、やや重以上の馬場での3着以内率は100%。

 

主な勝ち鞍

鳴尾記念(GⅢ/2010)

日経新春杯(GⅡ/2011)

金鯱賞(GⅡ/2011)

AJCC(GⅡ/2012)

クイーンエリザベスⅡ世カップ(GⅠ/2012)

 

代表産駒

初年度産駒は2016年にデビュー。サンデーサイレンスの血を持たず、日本屈指の血統であることから、初年度は200頭を超える牝馬に種付けし、その後も毎年200頭以上を相手に種付けする大人気種牡馬となっている。

 

・2014年産駒

 ・キセキ(菊花賞(GⅠ)/2017)

 ・ダンビュライト(AJCC(GⅡ)/2018、京都記念(GⅡ)/2019)

・2015年産駒

 ・リリーノーブル(阪神JF(GⅠ)2着/2017、オークス(GⅠ)2着/2018)

 ・メールドグラース(新潟大賞典(GⅢ)/2019)

 ・サンリヴァル(皐月賞(GⅠ)2着/2018)

 ・テトラドラクマ(クイーンカップ(GⅢ)/2018)

・2016年産駒

 ・リオンリオン(青葉賞(GⅡ)/2019)

 

 

ルーラーシップ産駒の特徴

距離適正

・世代限定戦、芝

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古馬、芝

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世代限定戦は、短距離でも走らないこともないが1600m以上になると成績が上がる。短距離は母系がスプリンター血統ではない限り割引した方がいいだろう。

古馬になると、1600m以下はほぼ走らなくなり、1800m以上が主戦場になる。

どちらも長距離になると勝率が上がるため、スタミナがある長距離血統ということがわかる。

 

・世代限定戦、ダート

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古馬、ダート

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世代限定戦は、出走数が多いのもあるが1800mが主戦場。

古馬のダートになると、1400mの勝利数が多いが基本的には距離が長いほうが良い。ダートでも長距離が得意である。

 

馬場適性

・世代限定戦、芝とダートの割合

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古馬、芝とダートの割合

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芝ダートの適正は、世代限定戦も古馬も倍以上芝の方が勝利数が多い。ただ、勝率を見てみると芝とダートで大きく変わらないので、ダートに出走してきたからと言って割引する必要はないだろう。

 

 

コース適正

・芝

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勝利数で見ると中央4場が多いが、勝率で見ると東京、新潟、北海道2場、小倉が高い。東京と新潟の成績が良いのは、母父トニービンに似て左回りの長い直線が合うからだろう。北海道2場の場合も、凱旋門賞を優勝しているトニービン影響が強いため、洋芝にも適正があるのだろう。小倉も、意外とトニービン産駒が得意な条件のためこういう結果になるのではないか。

つまり、ルーラーシップトニービンと似たような特徴を産駒に伝えている。

 

・ダート

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京都と阪神の勝利数が多く、中山と北海道は少ない。何故こうなるかと言うと……よく分からない。おそらくだが、栗東の調教師は美浦と比べるとルーラーシップ産駒を積極的にダートに使っているからかもしれない。調教師の手腕の問題もあるのかも?

 

牡、牝の違い

・世代限定戦

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古馬

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世代限定戦では牡牝の違いは大きくないが、古馬になると牡馬の勝利数の方が多くなる。おおまかに言うと、スピードに優れた種牡馬牝馬の活躍が多く、スタミナとパワーに優れた種牡馬は牡馬の活躍が多くなる。そのため、ルーラーシップは産駒にスタミナとパワーを伝える種牡馬ということだろう。

 

 

母父別の勝利数と勝率

・世代限定戦

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古馬

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ルーラーシップサンデーサイレンスの血を持たないため、日本にたくさんいるサンデー系の肌馬に種付けできるのが魅力だ。そのため、母父サンデー系の数が圧倒的で勝利数も多い。ただ、勝率で見るとどの系統でも大きく変わらない。
代表産駒で見ると、サンデー系が4頭、ノーザンダンサー系が3頭となっている。しかし、どの産駒も母系にサンデー系の血が入っているため、サンデーサイレンスとの相性がいいのだろう。

 

成長度

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2歳の早い時期から使える馬が多く、それなりに早熟性はある。ただ、3歳7月あたりから勝率が高くなっているため、どちらかというと晩成傾向だろう。代表産駒のキセキやダンビュライトのようになかなか勝ちきれずもどかしいレースをしながら実力をつけ、スタミナが要求される展開で一発決めるのが勝ちパターンでは?

 

 

ルーラーシップ産駒の特徴まとめ

・距離は長いほうがいい

・芝ダートの割合は、芝の方が勝利数が多いが、勝率は大きく変わらない

・芝のコース適正は、トニービンと似たような傾向

・ダートのコース適正は、西の中央2場と北海道以外のローカルが良い

・牡牝の違いは、牡馬の方が優勢

・母父は、やはりサンデーサイレンスの血を持っているほうがよさそう

・成長度は、2歳から走れるが晩成傾向がある

 

 

個人的なルーラーシップ産駒の感想

芝コースのルーラーシップ産駒が得意なバイアスは、

  • 馬場    軽い、やや軽い、標準、やや重い、重い、極悪
  • 上がり   速い、やや速い、標準、やや遅い、遅い、極悪
  • 枠     超内、内、フラット、外、超外
  • 直線の伸び 内、やや内、フラット、やや外、外
  • 前後    超前、前、展開次第、差し、超差し

となる。

馬場は不問である。パワー・スタミナ系が多いのでどちらかというと馬場は重い方がいいのだが、そこまで気にしないほうがいいだろう。

上がりは遅いほうが良い。母父トニービンの遺伝の影響か、大飛びでエンジンの掛かりが遅いタイプが多い。そのため、スローのヨーイドンのようなディープ産駒が得意な条件だとキレ負けすることが多い。ペースが流れて上がりが掛かるか、長い直線のロングスパートが得意である。

枠は外枠有利が得意。データでは5枠より外、特に7,8枠の成績が良い。

直線の伸びは外伸びの方が良い。上記の通り大飛びでエンジンの掛かりが遅いため、揉まれずに外をノビノビと走った方が末脚を発揮できる。

前後は不問である。代表産駒のキセキは菊花賞を優勝するまでは上がり3ハロン32秒台を出すなど差し馬として活躍していたが、ジャパンカップでは逃げて速い一定のペースで2400mを走りぬいた。ようは、大飛びが活躍できる条件であれば脚質は問わないということだろう。

 

ダートコースのルーラーシップ産駒が得意なバイアスは、

  • 馬場    軽い、やや軽い、標準、やや重い、重い
  • 上がり   速い、やや速い、標準、やや遅い、遅い
  • 枠     超内、内、フラット、外、超外
  • 直線の伸び 内、やや内、フラット、やや外、外
  • 前後    超前、前、展開次第、差し、超差し

馬場は不問に近いが、どちらかというと軽い方が良い。若干ではあるが、脚抜きが良くなるほと成績が良くなる。ルーラーシップは基本的に芝血統なのでそうなるのだろう。

上がりは遅い方が良い。大飛びで緩急が苦手なため、決め手はあまり無い。速いペースで逃げ先行して押し切るのが得意。

枠は外枠有利が得意。データでは6枠より外の成績が良い。大飛びで不器用だし、芝血統なので内枠で砂を被ったり揉まれたりするよりも、外をノビノビと走った方が実力を発揮しやすい。

前後は若干前有利が得意。ダートでは基本的に大飛びで一本調子のタイプが多いため、逃げ先行押し切れる条件だと実力を発揮しやすい。

 

個人的には、ダートも走れるトニービンと思っている。キセキが2着に粘ったジャパンカップのように、ルーラーシップ産駒は長距離でペースが流れると好走するというイメージがある。

ダートもそれなりに走れるというのは、ダイナカール牝系にあるのではないか?ダイナカール牝系だけではなく日本の名牝系は、スタミナとパワーが優れていることが多い。それがダートに合い、ダートも"こなせる"のだろう。

ちなみに、ルーラーシップ産駒はダートのオープンクラス以上の勝ち馬はいない(2019年5月現在)。